《畜産物》
ここからは、精肉について見ていきましょう。味付のお肉や合挽ミンチなどの製品は加工食品に該当するため、ここでは外し、カットやスライスだけでパック詰めされたもののを対象としてお話します。
最近はデパートや昔からの精肉店以外は、ショーウインドウに肉を盛って、ばら売りしている店舗が少なくなっていますが、ばら売りの場合は、「名称」「原産地」「100g当たりの単価」のみの表示で良いことになっています。
ここでは、スーパー等のように、パック詰め販売されているものを中心にお話しします。
名称:「牛肉」「豚肉」「鶏肉」などの肉の種類とともに、部位の表示(ロース、バラなど)が必要です。
原産地:最も飼養期間が長い国での生育地が原産国となります。(例えば、アメリカで生まれても、日本で飼育された期間がアメリカでの期間より長ければ国産扱いとなります。)
なお、輸入品の場合、農産物のように知名度のある州や省での表示が認められず、すべて国名表示となります。
さらに、日本語以外での表示ができず、アルファベット表記も認められていません。
(例 「米国」「オーストラリア」は可能(〇)だが、「USA」「Austraria 」は禁止(✕)
個体識別番号:国産牛のみ、つけられる個体の識別番号で10桁の表示がされます。ただし、内臓肉については表示義務がありません(ホルモンなど)
パック詰めに名称や原産地以外に表示すべき内容:
内容量(グラム又はキログラム)
消費期限
保存方法
加工者の名称と所在地
冷凍又は回答した場合(「凍結品」や「解凍品」の表示が必要)
単位価格(100g当たりの価格)
味付き肉、盛り合わせ肉などの場合
味付きでパックされているものや焼き肉セット(牛豚鶏の混合や野菜入り)などの名称で売られている精肉がありますが、これは生鮮食品扱いでなく加工品扱いとなりますので表示すべき内容が異なります。
具体的には、
名称
原材料名
添加物
内容量
消費期限若しくは賞味期限
保存方法
原産国(輸入品の場合)
製造者等の名称及び住所
が必要になります。
冷凍又は解凍した食肉
冷凍のまま仕入れた食肉や小売販売業者が冷凍した食肉は「冷凍」「フローズン」の表示が必要であり、解凍した場合は「解凍品」の表示が必要です。
ただし、鶏肉の場合に限って、「冷凍品」「解凍品」の表示となります。
ここは統一したほうが消費者にも分かり易くなるのですが、昔からの慣習でそうなったようです。
単位価格
商店街のようにショーウインドウにお肉を陳列して、その場で量り売りするスタイルのお店では、よく表示されていますが、100g当たりの価格で値段が表示されていると思います。
【ちょっと一息】
「和牛」
皆さんは和牛の定義はご存じでしょうか?
国内で生まれ育てられたのはもちろんですが、それだけではありません。
黒毛和種
褐毛和種
日本短角種
無角和種
上記1~4の交配で生まれた牛
5と1~5の交配で生まれた牛
のみが「和牛」と表示できます。
「黒豚」
「黒豚」も国産のみかなと思われるかもしれませんが、実は違います。
純粋なバークシャー種のみが認められ、国産、輸入品を問いません。
バークシャー種はもともとイングランドのバークシャー地域を原産とする品種で、体の殆どは黒毛で覆われていますが、足先や顔と尻尾の六か所に白い部分があることから「六白豚」とも呼ばれています。
店頭では国産と外国産を区別するため、「鹿児島黒豚」「米国産黒豚」のように原産地を併記するようになっています。
また、他の種と交配させると肉の品質が落ちるため、純粋種のみで交配させます。
日本では鹿児島での飼養が有名です。
「地鶏」
日本各地にある地域固有の在来種であり、50パーセント以上の血を引くひなをJAS規格に基づいた飼育でのみ称され理です。
飼育期間が75日以上で自然に近い環境であることから、ブロイラーと違い身が締まった肉質が特徴です。「名古屋コーチン」「比内地鶏」が有名です。
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