老化の原因
老化には、種々の原因があるのですが、活性酸素により、体が錆びる「酸化」という現象と、体が焦げる「糖化」という現象が、主な要因と考えられています。
活性酸素と抗酸化物質
人間は、常に酸素を取り込まないと生きていられませんが、取り込まれた酸素の2パーセント程度が、不安定な活性酸素になるといわれています。活性酸素が多くなると皮膚のくすみやしわの原因となります。
体内では、活性酸素が増え過ぎないように「抗酸化物質」を作り、制御していますが、年齢を経るにつれて、そのバランスが保てなくなります。
そのため、活性酸素を増やさないためには、抗酸化物質を取り入れることと、活性酸素が増える原因を減らすことが重要です。
活性酸素を増やす原因
- タバコを吸う
- 紫外線を浴び過ぎない(過度の日光浴)
- アルコールを取り過ぎない
- 脂肪の取り過ぎ(スナック類、インスタントラーメン等の揚げてあるもの)
- ストレスを溜めない
主な抗酸化物質
タンパク質、ビタミン類、ポリフェノール類、カロテノイド
に含まれます。具体的に見ていきましょう。
ビタミンC
食品表示を見るとよく抗酸化剤としてビタミンCが記載されていることが多いと思います。添加剤として加えられている場合には、合成したビタミンC(アスコルビン酸で表示されることもある)が殆どですが、一般的には、柑橘類のグレープフルーツやレモン、野菜では緑黄色野菜などが多く、ピーマン、パプリカなどです。
ビタミンA
こちらも、緑黄色野菜、特にニンジンなどは、ビタミンAの前駆体であり、カロテノイドの一種であるβ-カロテンが多く含まれています。
ビタミンA(ビタミンEも)は脂溶性の性質を持つため、油との相性が良く、植物性油やオリーブオイルなどを用いて料理すると、吸収率が上がるといわれています。
炒めたり、揚げたりよりも油の摂取を控えたいのであれば、少量の油(170℃程度)にさっとくぐらせる(油通し)であれば、材料の色出しも兼ねて良いのではないかと思います。
ビタミンE
ナッツ類が代表ですが、大豆やゴマにも含まれるので、納豆やすりゴマを食べるのも効果的です。ゴマの場合は、すりゴマでないと栄養成分を摂取できないので注意してください。
とんかつ屋に食べに行くと、ゴマをすり潰してソースを入れ、とんかつをつけて食べますよね。油との相性の良いビタミンEは、理に叶った食べ方と言えるでしょう。
ポリフェノール
ワイン、緑茶、チョコレートなどが代表ですが、ナスやレッドキャベツ、ブルーベリーなどアントシアニンもポリフェノール類です。
ちょっと変わりますが、そばに含まれるルチンもポリフェノールの一種であり、血圧を下げる効果もありますで、一石二鳥ではないでしょうか?
コエンザイムQ10
サプリメントとして、よく見かける名前ですね。青魚のいわし、ハマチや牛や豚肉などに含まれます。サプリメントであれば、効率よく取れますが、青魚や肉を食べても、取れますし、強い抗酸化作用があります。
抗酸化物質には、それぞれ役割があり、
- 活性酸素の発生を抑えるもの
- 活性酸素の酸化力を抑えるもの
- 活性酸素で受けた被害を修復するもの
など役割が異なりますので、幅広く摂取する必要があります。
糖化と余分な糖化を防ぐには
糖化は、タンパク質が余分な糖質が結びついてAGE(糖化最終物質)を生成することです。
ホットケーキの例がよく用いられますが、砂糖と牛乳などのたんぱく質を含む生地を焼くと、焦げ目がついて美味しそうな香りがします。
これが糖化で体内でも同じことが起こっているのです。ただし、体内ではこのAGEが蓄積すると弾力性を失い、たるみやしわ、動脈硬化の原因ともなってしまいます。
余分な糖化を防ぐには、炭水化物の取り過ぎに注意する必要があります。年齢とともに、食事の中の炭水化物の割合を調整する必要があるのはこのためです。
また、食事の1時間後を目安にウォーキングなどの軽い運動は余分な糖質の消費に有効です。
逆に、空腹時や有酸素運動後に甘いもの取り過ぎたり、糖分を含む清涼飲料水を飲むのも、急激な血糖値上昇を招くのでおすすめできません。
血糖値が急激に上昇すると、体内では、糖類が十分に取り込まれたものと認識して、残りは消費せず、貯蓄に回そうとして、結果的に糖化のプロセスを辿ってしまうからです。
そのため、糖のもととなる、炭水化物は食事の最後に取るようにして、野菜や肉・魚などを先に食べて、順番を変えるだけでも、血糖値の上昇が抑えられると言われています。さらに、食事の際には、早食いをやめて、ゆっくりよく噛んで食べると血糖値の急激な上昇が抑えれれます。
また、食品には、加工などにより、AGEが含まれるものがあります。詳しくはまた、別の記事で記しますが、糖とタンパク質を含んで焼いたもの、焼き色や揚げたりして焦げ目などが見える加工食品、ファーストフードのセットメニューは、なるべく避けたほうが無難です。
まとめ
老化現象につながる、「酸化」と「糖化」を抑えることが重要となります。(アンチエイジング)
抗酸化作用は、抗酸化物質により、その働きが異なるため、幅広く取ることで酸化を抑える。
糖化は、食べる順番を変え、野菜、肉魚、最後に麺やごはんを取り、ゆっくり食べる。
老化を無くすことはできませんが、食事のとり方により、若さを保つことができるように、食事や運動を心がけてみてはどうでしょうか。
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